外国人社員が退職するとき、会社がやるべき手続き|届出漏れで入管から指摘を受けるリスク【2026年版】
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
「退職届を受理して社会保険の手続きを済ませた。これで完了。」
日本人社員であればそれで問題ありません。しかし外国籍社員の場合、それだけでは不十分です。
2026年現在、入管当局とハローワークのデータ連携は劇的に強化されています。退職時の届出漏れは、デジタルの記録として残り、将来の外国人採用審査や他の社員の更新審査で「不適切な雇用管理を行っている企業」として指摘される可能性があります。
今回は、見落としがちな退職時の届出と、漏れが発覚するリスクを解説します。
1. 退職時に会社がやるべき2つの届出
① ハローワークへの「外国人雇用状況届出」
外国人が離職した際、すべての事業主にハローワークへの届出が義務付けられています(労働施策総合推進法第28条第1項)。
提出期限は雇用保険の被保険者であれば離職日の翌月10日まで、雇用保険に加入しないアルバイト等は離職日の翌月末日までです。届出を怠った場合、30万円以下の罰金の対象となります。
② 入管への「受入れ終了の届出」
技人国・経営管理・教授などの就労資格を持つ外国人を雇用していた場合、雇用終了を入管へ届け出るよう努めなければなりません(入管法第19条の17)。
努力義務ではありますが、これを適正に行っているかどうかが企業のコンプライアンス評価に直結します。
2. 届出漏れが「即座に発覚」する理由
現在、入管はハローワークの雇用状況データをリアルタイムで照会できる体制を構築しています。
退職した外国人が別の会社に採用され、新しい会社がハローワークに届出を出した際、前職からの離職届出が出ていないと、即座にデータの不整合が発覚します。
さらに不整合が続くと、「書類上だけ籍を残し、資格外活動を隠蔽しているのではないか」という疑いを持たれる要因にもなります。悪質とみなされれば不法就労助長罪(3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金)に問われる恐れもあります。
3. よくある見落としパターン3つ
「短期アルバイトだから届出不要と思った」 雇用期間に関わらず、特別永住者以外の外国人は全員が届出の対象です。
「本人が入管に14日届出を出したから会社は不要と思った」 本人の届出義務と、会社のハローワーク届出義務は別物です。どちらも必要です。
「離職時に在留カードを確認しなかった」 ハローワーク届出の記載に不備が生じ、後から指摘を受ける原因になります。
4. 退職時のチェックリスト
- 在留カード原本の最終確認・コピー保存
- ハローワークへの離職届出(翌月10日または末日まで)
- 入管への受入れ終了届出(第19条の17)
- 本人への14日以内の届出義務の案内
- 届出の控えをデジタルデータで保存
まとめ
退職時の手続きは「事後処理」ではなく、企業のリスク管理の総仕上げです。2026年現在、データ連携の強化により、うっかり漏れはすぐに記録として残ります。
「過去に漏れがないか確認したい」「どの届出が必要か判断できない」という経営者様は、お気軽にご相談ください。

