外国人社員が逮捕・拘留されたときの会社の対応【2026年版】
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
もし貴社の外国人社員が突然警察に逮捕・拘留されてしまったら、会社としてどう動くべきか。外国人社員の逮捕は刑事手続きと入管手続きが複雑に絡み合うため「慌てずに正しい順番で対応すること」が企業を守る鍵となります。今回は正しい対応手順を解説します。
1. まず最初にやるべきこと
正確な事実の把握
どの警察署にどのような容疑で逮捕されたのかを確認します。通常、警察から会社へ連絡が来るか当番弁護士や家族を通じて連絡が入ります。
弁護士の確保
本人が私選弁護人を依頼していない場合、会社として信頼できる弁護士を紹介するサポートを検討してください。早期の釈放や示談交渉はその後の在留資格の維持に大きく影響します。
2. 入管への届出が必要なケース(14日以内)
逮捕・拘留されたこと自体を入管へ直ちに報告する義務は原則としてありません。ただし以下の状況では14日以内の届出が必要です。
雇用契約を解除(解雇)した場合
入管法第19条の17に基づき受入れを終了した日から14日以内に入管へ届出を行う必要があります。
特定技能外国人の「受入れ困難」になった場合
特定技能1号・2号の社員が長期間拘留され業務に従事させることが実態として不可能になった場合「受入れ困難に係る届出」を行う義務があります。
3. 逮捕・有罪判決が在留資格に与える影響
① 退去強制手続き
入管法第24条に規定する退去強制事由に該当する外国人は強制的に国外へ退去させられることがあります。一定の刑罰に処せられた場合がこれに該当します。
ただし退去強制事由に該当する場合であっても法務大臣が特別に在留を許可すべき事情があると認めるときは「在留特別許可」が与えられる場合があります。
② 在留資格取消しリスク
正当な理由なく本来の在留資格に応じた活動を一定期間行わずに日本に留まっている場合在留資格の取消しの対象となります。
③ 永住許可・更新への影響
2026年2月改訂の永住許可ガイドラインにより刑事罰を受けた履歴は素行善良要件を著しく阻害します。
4. 社員を解雇する場合の注意点
外国人であっても日本の労働関係法令が日本人と同様に適用されます。
就業規則の確認:貴社の就業規則に刑事事件により有罪判決を受けた場合や無断欠勤が長期間に及ぶ場合の懲戒規定があるかを確認してください。
弁明の機会の付与:一方的な解雇は「不当解雇」として争われるリスクがあります。本人の身柄が拘束されている場合でも弁護士を通じて事実関係を確認し本人の言い分を聞く手続きを形式上整えておくことが重要です。
解雇後の手続き:解雇した場合は速やかに社会保険・雇用保険の資格喪失手続きと入管への契約終了届出を行ってください。
5. 実務対応チェックリスト
□ 逮捕された警察署・容疑・拘留予定期間を正確に把握したか □ 直ちに弁護士と連絡を取り本人の状況を確認したか □ 在留カード原本を確認し在留期限が近くないかチェックしたか □ 拘留が長期化する場合「受入れ困難届」を検討したか □ 解雇を検討する場合、労働法規に則った適正な手続き(弁明の機会等)を踏んだか □ 契約終了が決まった場合14日以内に入管へ届出を行ったか
まとめ
外国人社員の逮捕という不測の事態において会社が最も優先すべきは二次被害を防ぐことです。「届出書類の書き方がわからない」「有罪判決が出た後のビザへの影響を知りたい」という経営者様は、お気軽にご相談ください。

