私有地の放置車両・所有者不明車両への対応方法【2026年版】

北海道の札幌市や岩見沢市近郊で、「マンションの駐車場に見知らぬ車がずっと停まったままになっている」「自社の敷地に不法投棄された廃車が放置されている」といった放置車両トラブルは、決して珍しい話ではありません。

「自分の土地なんだから、勝手に動かしてもいいだろう」と思われがちですが、これは大きな間違いです。本記事では、放置車両への正しい対処法と、やってはいけない行動を丁寧に解説します。


1. 放置車両トラブルの実態

北海道では、冬期間の大雪による車両の放置や、廃業した店舗・工場の駐車場に乗り捨てられた車両など、特有の放置車両問題が多く見られます。

しかし最も重要なことは、「自分の敷地にある他人の車であっても、勝手に撤去・処分すると自分が法律違反になる」という事実です。これを「自力救済の禁止」といい、正式な法的手続きを経ずに自らの手で問題を解決することは、原則として法律で禁止されています。

自力救済に違反した場合の具体的なリスクは以下の通りです。

  • 器物損壊罪(刑法第261条):レッカー移動時に車体を傷つけた場合、3年以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される可能性があります
  • 民法第709条に基づく損害賠償請求:車両所有者から損害賠償を請求されるリスクがあります

2. 私有地と公道での対応の違い

公道(道路上)の放置車両:道路交通法に基づき、警察や道路管理者が対応権限を持ちます。長期放置と判断されれば、行政が車両を撤去・保管し、最終的には処分できる仕組みがあります。

私有地の放置車両:原則として民事上の問題として扱われ、警察は「私有地のトラブルは民事問題」として対応しないケースがほとんどです。警察への相談は、盗難車かどうかの確認や、後の証拠として有効ですが、撤去そのものは土地所有者が法的手続きを通じて進めなければなりません。


3. 所有者の特定方法

放置車両を合法的に撤去するには、まず所有者を特定することが不可欠です。

STEP1:証拠の記録:放置車両を発見したら、まず日付入りの写真を複数の角度から撮影します。ナンバープレート・車両の状態・放置場所・損傷の有無がわかるように記録します。

STEP2:自動車登録事項等証明書の請求(普通自動車の場合):ナンバープレートの情報をもとに、札幌運輸支局で「自動車登録事項等証明書」を請求できます。現在の所有者の氏名・住所が記載されています。なお、車台番号が確認できない場合(車に鍵がかかっている等)は、「私有地放置車両関係位置図」を添付することで、自動車登録番号のみで請求できる特例があります。

軽自動車の場合:軽自動車に登録制度はありません。軽自動車検査協会に対して「検査記録事項等証明書」を請求する形となります。

STEP3:盗難車確認:警察へ相談し、放置車両が盗難届の出ている車両かどうかを確認してもらいます。盗難車であれば警察が対応します。


4. 所有者が特定できた場合の対応

内容証明郵便の送付:所有者の住所が判明したら、「○年○月○日までに撤去してください。期限内に撤去がない場合は法的手続きを検討します」という旨の内容証明郵便を送付します。内容証明は裁判の証拠として有効で、相手への心理的な圧力にもなります。

任意撤去の実現:所有者から連絡があり、協力が得られれば任意での撤去が実現できます。これが最もコストが低く、スムーズな解決策です。


5. 所有者が特定できない・連絡が取れない場合の対応

裁判所を通じた手続き:所有者が応じない場合の最終手段は裁判手続きです。土地の明け渡しを求める訴訟(明渡請求訴訟)を起こし、勝訴判決を得た上で強制執行を申し立てます。

2023年民法改正の活用:2023年4月の民法改正により「所有者不明土地・建物管理制度」が新設されました。所有者が特定できない放置車両についても、裁判所に管理人の選任を申し立てることで、適法に処分できる手続きのハードルが以前より改善されています。


6. よくある失敗・注意点

「長期放置だから処分していい」は間違い:何年放置されていても、法的手続きなしに車両を撤去・処分することはできません。

警告文の貼り紙だけで安心しない:貼り紙は相手への連絡手段として有効ですが、法的効力はありません。証拠として写真を残した上で、内容証明郵便へのステップアップが必要です。

警察が「問題なし」と判断しても油断禁物:警察が「事件性なし」と判断しても、それは刑事事件としての判断であり、民事上の問題は依然として残ります。別途、民事手続きを進める必要があります。

北海道冬期間特有の問題:積雪により車両が雪に埋まっている状態でも、所有権は変わらず、勝手な撤去は違法です。春の雪解けを待って状況を確認・記録し直すことが重要です。


まとめ

私有地の放置車両対応は、「感情的にならず、証拠を集め、法的手続きを踏む」ことが鉄則です。特に、内容証明郵便の作成・送付や所有者調査は、行政書士がサポートできる業務です。

「放置車両の所有者を調べたい」「内容証明郵便を作成してほしい」「どの法的手続きを取るべきか相談したい」とお困りの方は、ぜひConnect行政書士事務所へご相談ください。

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