留学生を卒業後に採用するときの手続き|留学ビザから就労ビザへの変更ガイド【2026年版】
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
「留学生を雇いたいがビザの手続きが複雑で不安」という声をよく伺います。しかし正しい手順を理解すれば留学生の採用は決して難しくありません。今回は留学生を卒業後に採用する際の手続きを解説します。
1. 「留学」ビザから「就労」ビザへの変更の基本
留学生を正社員として雇用する場合、現在の「留学」という在留資格から就労資格へ変更する「在留資格変更許可申請」が必要です。
主な選択肢
技術・人文知識・国際業務(技人国):エンジニア・企画・マーケティング・通訳・デザイナーなど理系・文系の専門知識を活かす業務で最も一般的な在留資格です。
特定活動(告示46号・本邦大学等卒業者):日本の4年制大学(または大学院)を卒業しN1等の高い日本語能力を持つ方限定の資格です。技人国では認められにくい飲食店での接客や製造現場での指示出しなど幅広い業務に従事できます。
特定技能:特定の産業分野において技能試験に合格した方向けの資格です。留学生が試験を受けて取得するケースも増えています。
2. 変更申請のタイミングと注意点
申請は卒業前から
例年3月に卒業する留学生の場合、前年の12月から変更申請を受け付けています。卒業後に申請を始めると許可が出るまでに4月の入社日を過ぎてしまうリスクがあるため年内から準備を開始することが重要です。
特例期間の活用
申請が受理されると審査中に卒業を迎えても最長2か月間は特例期間として日本に留まることができます。ただし卒業後にアルバイト(資格外活動)を継続することは認められないため注意が必要です。
3. 審査で重視されるポイント
① 専攻内容と業務内容の整合性(最重要)
技人国ビザの場合、大学・専門学校で学んだ内容と会社で任せる業務に直接の関連性が求められます。
OK事例:経済学部卒の留学生を海外展開を担うマーケティング職として採用。
NG事例:工学部卒の留学生を専門知識を必要としない現場のライン作業のみに従事させる。
② 日本人との同等報酬要件
外国人であることを理由に日本人社員よりも低い給与を設定することは認められません。同等のキャリアを持つ日本人と同等以上の報酬を支払うことが必要です。
③ カテゴリー3・4の中小企業への追加書類
2026年4月15日以降の申請からカテゴリー3・4の企業は「所属機関の代表者に関する申告書」の提出が義務化されました。代表者が外国人の場合はその氏名と在留カード番号の記入が必要です。
また翻訳・通訳や接客など対人業務に主に従事する新規・変更申請ではCEFR B2相当(N2以上等)の言語能力証明が必要です。ただし以前から継続して同様の業務に従事している場合の更新申請では原則として提出は不要です。
4. 内定取り消しリスクを最小限にするための対策
停止条件付き雇用契約の締結
雇用契約書に「在留資格の変更許可を受けることを条件として本契約は効力を生じる」という一文を盛り込むことで万が一の不許可時に法的トラブルを防ぐことができます。
研修計画書の作成
採用後の実務研修は認められますが在留期間の大半を占めるような計画は不許可の原因となります。日本人大卒社員と同様のキャリアステップであることを示す研修計画書を事前に作成しておくことが重要です。
社会保険・納税の当初の納期内履行
2026年2月改訂のガイドラインの考え方は企業の受入れ適格性審査にも波及しています。会社が社会保険料や税金を当初の納期内に支払っている実績が重要な指標となります。
5. 実務対応チェックリスト
□ 在留カード・パスポートの原本を確認し残りの在留期限を把握したか □ 卒業見込証明書と成績証明書を取得させ専攻と業務の関連性を精査したか □ 報酬額が同等職種の日本人と同等以上であることを確認したか □ カテゴリー3・4の企業の場合、代表者申告書の準備ができているか □ 対人業務の場合、CEFR B2相当(N2以上等)の言語能力証明があるか □ 卒業後に資格外活動をさせないよう本人に指導したか
まとめ
留学生の採用は正しい準備をすれば決して難しくありません。「うちの業務内容で許可が降りるか知りたい」「専攻と業務の関連性の説明をサポートしてほしい」という経営者様は、お気軽にご相談ください。

