古物台帳の書き方と保存義務【2026年版】
古物商許可を取得し、ビジネスをスタートさせた後に重要となるのが、日々の取引記録を管理する「古物台帳(帳簿等)」の記帳と保存です。「許可さえ取れば安心」と考えて帳簿つけを怠ると、警察の立入検査で指摘を受けたり、行政処分や罰則の対象となるおそれがあります。
本記事では、北海道(札幌市・岩見沢市近郊など)で古物営業を営む方に向けて、古物台帳の書き方と保存義務を解説します。
1. 古物台帳とは何か・なぜ必要か
古物台帳とは、古物営業法第16条に基づき、古物の買い取りや販売などの取引を行うたびにその内容を記録・保存する帳簿のことです。
古物営業法の目的は、盗品等の売買防止と速やかな発見、被害の迅速な回復にあります。万一、買い取った商品が盗品であった場合に、警察が被害品を追跡できるよう、いつ・誰から・どのような商品を買い取ったのかを正確に記録しておくことが義務付けられています。
2. 帳簿に記載する事項
古物の受入れ(買取り等)および払出し(売却等)を行った際は、取引の都度、次の事項を記載しなければなりません。
- 取引年月日
- 古物の品目及び数量
- 古物の特徴(色、材質、シリアルナンバー、製造業者名など。自動車の場合は自動車登録番号、車名、車台番号など)
- 取引相手の住所、氏名、職業及び年齢
- 相手方の確認のためにとった措置の区分(運転免許証の確認、身分証明書の写しの受領など)
1週間分や1か月分をまとめて記載することは認められていません。取引のたびに、その都度記載する必要があります。
3. 保存期間と保存方法(紙・電子)
保存期間:古物台帳は「最後に記載した日から3年間」、営業所に備え付けて保存する義務があります(古物営業法第18条第1項)。
保存方法:紙の帳簿や伝票を綴ったもののほか、パソコンやクラウドシステムによる電磁的記録(電子データ)で保存することも認められています。
ただし電子データで管理する場合は、警察官の立入検査等があった際に「直ちに書面に表示できる状態」にしておく必要があります。データを保管しているだけでは足りず、その場で出力できる環境を整えておくことが求められます。
4. 記載が必要な取引・免除される取引
原則:買受けの対価の総額が1万円未満である場合は、相手方の確認義務および帳簿への記載義務が原則として免除されます。
1万円未満でも記載が必要な例外物品
- 自動二輪車及び原動機付自転車(ねじ、ボルト等の汎用性の部分品を除く部品を含む)
- 家庭用ゲームソフト
- 光学的方法により音又は影像を記録した物(CD・DVD等)
- 書籍
5. 令和7年10月からの改正で追加された物品
令和7年10月1日施行の古物営業法施行規則の改正により、1万円未満の買受けであっても本人確認と帳簿記載が必要な物品に、次の4つが追加されました。
- エアコンの室外機
- 電気温水機器のヒートポンプ
- 電線(LANケーブルや家庭用延長コード、充電ケーブルは対象外)
- グレーチング(金属製のものに限る。コンクリート製は対象外)
金属盗の被害が問題となっていることを受けた改正です。リサイクルショップや金属スクラップを扱う事業者だけでなく、雑品を取り扱う事業者も対象になりますので、運用の見直しが必要です。
6. 中古車販売業の方が知っておきたい例外
自動車を取り扱う場合、受入れ時と払出し時で扱いが異なります。
受入れ時(買取り):取引額にかかわらず本人確認を行い、相手方の住所・氏名・職業・年齢と、車両の特徴(車台番号等)を記載します。
払出し時(売却・引渡し):払出しの記載義務がある品目は限られていますが、自動車はその対象です。ただし自動車は登録制度により相手方を特定できるため、相手方の住所・氏名・職業・年齢の記載は免除されます(法第16条第4号ただし書、規則第18条第2項)。
この免除は自動車本体に適用されるもので、カーナビやホイールなどの部品のみの取引には適用されません。
7. 帳簿を紛失したときの対応
火災や水害、パソコンの故障、盗難などにより古物台帳を破損・滅失・亡失した場合は、古物営業法第18条第2項に基づき、直ちに営業所の所在地を管轄する警察署長へ届け出る義務があります。
岩見沢・江別・札幌近郊であれば、営業所を管轄する警察署の生活安全課へ速やかに連絡し、指示に従ってください。届出を怠ること自体が法令違反となります。
8. 記載義務違反の罰則
帳簿への記載を怠った場合、虚偽の記載をした場合、保存義務や滅失等の届出義務に違反した場合は、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科されます。
刑事罰だけでなく、公安委員会から指示処分や営業停止命令などの行政処分を受けるおそれもあります。
まとめ
古物商許可は「取得して終わり」ではありません。許可取得後の帳簿管理と本人確認の徹底こそが、事業を続けるうえでの土台になります。特に近年の改正で、1万円未満でも記載が必要な物品が増えているため、取引実務に合わせた管理体制の見直しが欠かせません。
「自社の取扱商品での記帳方法に不安がある」「電子データでの保存が要件を満たしているか確認したい」という事業者様は、ぜひConnect行政書士事務所へご相談ください。
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