技能実習生を特定技能に移行させる具体的な手順【2026年版】
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
長年現場を支えてくれた技能実習生が修了期限を迎え「本当はもっと働いてほしいが制度上帰国させるしかない」と諦めていませんか?
技能実習生をそのまま自社の戦力として定着させる在留資格「特定技能」への移行は、非常に有効な選択肢です。今回は技能実習生を特定技能へ移行させる条件と手順を解説します。
1. 技能実習から特定技能への移行の基本(試験免除の条件)
特定技能1号を取得するには通常「技能試験」と「日本語試験」の合格が必要ですが、技能実習2号を良好に修了した外国人には以下の優遇措置があります。
日本語試験:特定技能1号において求める日本語能力水準が「国際交流基金日本語基礎テスト」または「日本語能力試験(N4以上)」である分野については、技能実習の職種・作業に関わらず原則免除されます。ただし介護分野など一部の分野では別途確認が必要です。
技能試験:従事しようとする業務と技能実習2号の職種・作業に関連性が認められる場合は免除されます。関連性がない分野に移行する場合は技能試験の合格が必要です。
なお分野ごとに詳細な要件が異なるため各分野の分野別運用方針および運用要領をご確認ください。
「良好な修了」の定義
良好に修了しているとは、技能実習を2年10か月以上修了しかつ以下のいずれかを満たす必要があります。
- 技能検定3級またはこれに相当する技能実習評価試験(実技)に合格していること
- 実習実施者(企業)が作成した評価調書により実習中の活動状況が良好であったことが証明されること
2. 移行の具体的な手順
STEP 1:良好な修了の確認と意思確認
実習生本人が移行を希望しているか、そして良好な修了の要件を満たしているかを検定の合格証書や評価調書で確認します。
STEP 2:雇用契約の締結
特定技能としての新たな雇用契約を結びます。日本人と同等以上の報酬を支払うことが絶対条件です。
STEP 3:1号特定技能外国人支援計画の策定
特定技能1号の雇用には10項目の義務的支援が必要です。支援の全部を登録支援機関に委託することも可能です。
STEP 4:在留資格変更許可申請
在留期限が切れる前に管轄の地方出入国在留管理局へ申請を行います。2026年4月15日以降の申請からカテゴリー3・4の企業は代表者申告書の提出が必要です。
STEP 5:分野別協議会への加入
特定技能を受け入れる企業は各分野の協議会への加入が義務付けられています。初めて受け入れた場合は入国後4か月以内に加入手続きを完了させる必要があります。
STEP 6:就労開始と定期報告
新しい在留カードが交付されたら特定技能としての就労がスタートします。年1回の定期報告を郵送・持参またはオンラインで行う必要があります。
3. 育成就労制度との関係
2027年4月1日から技能実習制度に代わる「育成就労制度」が開始されます。2026年4月に入管庁より育成就労制度運用要領が公表されました。
現在の技能実習生を特定技能へ移行させる実務は、2027年以降の「育成就労から特定技能へ」というキャリアステップの予行演習となります。今から正確な移行プロセスを自社に定着させることが将来的な人財確保の優位性につながります。
4. 実務対応チェックリスト
□ 技能実習2号を良好に修了し試験免除の要件を満たしているか □ 移行先の特定技能分野と実習職種に関連性があるか(技能試験免除の確認) □ 報酬額が同等業務の日本人と比較して同等以上か □ 10項目の支援計画を本人が理解できる言語で準備したか □ 2026年4月施行の代表者申告書など最新添付書類を把握しているか □ 分野別協議会への加入手続きを入国後4か月以内に完了できるか
まとめ
技能実習生を特定技能へ移行させることは新規採用コストを抑えながら即戦力を確保できる最も効率的な人財戦略です。「うちの実習生は免除対象になるのか」「移行の手続きをサポートしてほしい」という経営者様は、お気軽にご相談ください。

