外国人社員が突然来なくなったときの会社の対応【2026年版】

中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。

ある日突然、外国人社員が連絡もなく出社しなくなり寮からも姿を消してしまう……。こうしたトラブルは依然として発生しています。放置すれば企業側が不適切な受け入れ機関とみなされ今後の受入れに深刻な影響を及ぼす恐れがあります。今回は正しい対応手順を解説します。


1. まず最初にやるべきこと(安否確認)

社員が姿を消した際まずは事件や事故に巻き込まれていないかという視点で動くことが重要です。

  • 電話・メール・SNSで繰り返し連絡を試みる
  • 採用時に届け出ている緊急連絡先(母国の家族・日本国内の知人)に確認する
  • 社宅や寮がある場合は管理者の立ち会いのもとで部屋を確認する

パスポートや在留カード・貴重品が残されているかどうかが「一時的な外出」か「意図的な失踪」かを判断する材料となります。


2. 入管への届出義務(14日以内)

外国人社員との雇用契約が終了した場合または実態として契約が維持できなくなった場合は入管への届出が必要です。

就労資格の場合

入管法第19条の17に基づき受入れを終了した日から14日以内に所属機関として入管へ届出を行う必要があります。

届出は出入国在留管理庁電子届出システム(I-ENS)によるオンライン届出・地方出入国在留管理局の窓口・郵送のいずれかで行うことができます。

この届出を怠ると企業の受入れ適格性に疑義を持たれる原因となります。


3. 特定技能の場合の追加対応

「特定技能1号・2号」の外国人が行方不明になった場合は通常の契約終了届に加えて「受入れ困難に係る届出」が必要です。

受入れが困難となったことを知った日から14日以内に管轄の地方出入国在留管理局へ届け出なければなりません。

入管の審査官は届出を受けた後本人の現状や失踪に至った経緯を精査します。会社側に責めがある(賃金未払いやハラスメント等)と疑われないよう日頃の面談記録や支援実施状況を整理しておくことが重要です。


4. 警察への行方不明者届

事件性の有無にかかわらず外国人社員が寮から荷物を持って消えたような場合は最寄りの警察署へ「行方不明者届」を提出してください。

万が一その社員が不法就労に従事したり犯罪に加担したりした場合に会社が捜索を願い出ていたという事実が企業の社会的信用を守る重要な証拠となります。


5. 労務上の対応

解雇通知:就業規則に基づき無断欠勤による解雇を行う場合は本人の居所が不明でも最後の住所地へ内容証明郵便で解雇予告通知書を送付し記録を残してください。

社会保険・雇用保険の資格喪失:解雇手続きが完了したら速やかに健康保険・厚生年金・雇用保険の資格喪失手続きを行います。

住民税の特別徴収停止:市区町村へ「給与所得者異動届出書」を提出し普通徴収への切り替えを行います。


6. 実務対応チェックリスト

□ 社宅や寮の状況を確認し在留カードの有無を把握したか □ 警察署へ「行方不明者届」を提出し受理番号を控えたか □ 入管へ受入れ終了の届出を14日以内に行ったか(入管法第19条の17) □ 特定技能の場合、「受入れ困難に係る届出」も14日以内に行ったか □ 特定技能の場合、登録支援機関へ状況を報告し連携したか □ 就業規則に基づき内容証明郵便等で解雇手続きの記録を残したか □ 社会保険・労働保険の資格喪失手続きを完了させたか


まとめ

外国人社員の失踪は慌てずに正しい順番で届出を行うことが企業を守る唯一の道です。「届出書の書き方がわからない」「本人が残した私物の扱いはどうすればいいか」という経営者様は、お気軽にご相談ください。



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