外国人社員の母国への送金|知っておくべき法律と注意点【2026年版】
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
外国人社員の多くは母国の家族を支えるために日本で働いており、母国への送金は日本での生活の大きな目的の一つです。送金自体は合法ですが、2026年現在の実務では在留資格審査との関係で注意すべき点が増えています。今回は経営者が知っておくべきポイントを解説します。
1. 外為法上の送金規制と「居住者」判定の基本
日本から母国へ送金する際の基礎となる法律が「外国為替及び外国貿易法(外為法)」です。
「6か月の壁」に注意
日本の金融機関では入国後6か月未満の外国人を原則として「非居住者」とみなします。非居住者の場合、外為法上の制限により給与振込用の通常口座の開設や自由な海外送金が制限されることがあります。
企業のサポートが重要
雇用契約書等を用いて本人の就労実態を証明し、早期に「居住者」として送金できるよう支援することが社員の安心感につながります。
2. マネーロンダリング対策(AML)と本人確認義務
近年、金融庁によるマネーロンダリング及びテロ資金供与対策(AML/CFT)は強化されています。
厳格な本人確認
銀行や送金業者は送金時に在留カードによる有効な在留資格の確認を義務付けられています。在留カードの番号が失効していないか当局のデータベースで照合される体制が整っています。
資金の出所の透明性
高額な送金や頻繁な送金が行われる場合、銀行から「資金の出所(給与所得であることの証明)」を求められることがあります。会社が発行する源泉徴収票や給与明細が本人の重要な証明資料となります。
非公式な送金ルートは厳禁
いわゆる地下銀行などの非公式な送金ルートの利用は、外為法違反として刑事罰の対象となるほか、在留資格にも重大な影響を及ぼす可能性があります。社員に対して必ず正規の金融機関や送金業者を利用するよう指導してください。
3. 送金と在留資格審査の関係
国外扶養控除と送金記録の整合性
外国人社員が年末調整で母国の家族を扶養に入れている場合、親族関係書類と送金関係書類の提出が必須です。
多くの親族を扶養に入れているにもかかわらず実際の送金記録がない場合、入管当局から虚偽の申告を疑われるリスクがあります。扶養人数と送金実績のバランスが社会通念上妥当かどうかが重要です。税務の詳細については税理士にご相談ください。
2026年2月改訂の永住許可ガイドライン
納税や社会保険料の当初の納付期限内の履行が厳格に審査されます。不適切な扶養控除によって住民税の額が不当に低くなっていることが発覚した場合、将来の永住申請に致命的な影響を与える可能性があります。
4. 実務対応チェックリスト
□ 社員が利用している送金ルートが正規の金融機関・送金業者であるか確認したか □ 扶養人数と送金額のバランスが社会通念上妥当かチェックしたか(詳細は税理士へ) □ 社員に「送金明細(控え)」を保管するよう指導しているか □ 住民税の特別徴収(給与天引き)を徹底し納期遅れを防いでいるか □ 高額送金時に銀行から求められる給与証明書類を会社として準備できるか
まとめ
外国人社員の母国への送金は合法ですが、送金の実態が在留資格審査にも影響します。在留資格管理や入管手続きに関するお悩みは、お気軽に当事務所へご相談ください。税務に関する詳細については税理士にご相談ください。

