外国人社員が結婚・離婚したときの在留資格への影響|会社が把握・サポートすべき理由【2026年版】
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
「社員の結婚や離婚はプライベートなことだから会社は関与しなくていいですよね?」
実はそうではありません。外国人にとって身分関係の変化は在留資格の根幹を揺るがす重大な法的イベントです。会社が知らずに放置すると不法就労を招き企業の信用を失墜させるリスクがあります。今回は結婚・離婚が在留資格に与える影響と企業の対応を解説します。
1. 外国人社員が結婚したとき
「日本人の配偶者等」などへの変更
日本人と結婚した場合は「日本人の配偶者等」、永住者と結婚した場合は「永住者の配偶者等」への在留資格変更を検討することになります。
これらの資格には就労制限がありません。現在の職種に限らず現場作業や多様なジョブローテーションが可能になり企業にとっても配置の柔軟性が高まります。
ただし審査では「実体を伴った婚姻生活」が継続しているかが厳格に確認されます。
会社としての対応
社員が資格を変更した場合は新しい在留カードの原本を確認し雇用保険・社会保険の氏名変更・住所変更等の手続きを速やかに行う必要があります。
2. 外国人社員が離婚したとき
14日以内の届出義務
「家族滞在」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」の資格で在留している外国人が離婚した場合、14日以内に入管へ届け出なければなりません。届出を怠ると20万円以下の罰金の対象となる恐れがあります。
在留資格取消しのリスク
配偶者としての活動を正当な理由なく6か月以上行わない場合、在留資格の取消し対象となります。離婚後に別の資格への変更手続きをせず放置することは非常に危険です。
就労資格への切り替え
離婚後も引き続き働きたい場合は就労資格への変更を検討する必要があります。学歴・実務経験等の要件を満たせば技人国などへの変更が可能ですが、要件を満たさない場合は特定技能や定住者など他の在留資格への変更も検討する必要があります。いずれにしても離婚後速やかに手続きを行わないと社員が突然「働けない状態」になるリスクがあります。
3. 企業として把握・サポートすべき理由
社員が離婚によって在留資格の該当性を失い、そのまま以前の資格で働き続けていた場合は不法就労となります。会社が知らなかったでは済まされず不法就労助長罪のリスクがあります。
また2026年2月改訂の永住許可ガイドラインでは納税や社会保険料の当初の納付期限内の履行が絶対条件です。離婚による混乱で社会保険の手続きが遅れたり住民税の納付が滞ったりすれば社員の将来の永住申請に致命的な影響を与えます。
4. 実務対応チェックリスト
□ 結婚・離婚が発生した際、速やかに会社へ報告するよう就業規則等で周知しているか □ 在留資格の変更が必要な場合、迅速な手続きを促したか □ 離婚の場合、本人が14日以内に入管へ届出を完了したか確認したか □ 新しい在留カードの原本を確認し番号が有効かチェックしたか □ 社会保険・納税に遅れが生じないよう給与管理を修正したか □ 就労資格への変更に向けた雇用契約書のリーガルチェックを行ったか
まとめ
外国人社員の結婚・離婚は在留資格に直結する重大な法的イベントです。「社員が離婚を考えているようだがビザはどうなるのか」「結婚を機に現場業務に就かせたいが手続きの順序がわからない」という経営者様は、お気軽にご相談ください。

