外国人社員の採用後に資格外活動が発覚したときの会社の対応【2026年版】

中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。

採用後に「実はこの社員、今の業務をやってはいけないビザだった」という事実が発覚するケースが後を絶ちません。「悪気はなかった」「本人ができると言ったから」と考える経営者様もいらっしゃいますが、確認不足は会社にとって致命的なリスクとなります。

今回は、採用後に資格外活動が発覚した際の正しい初動と、会社を守るための対策を解説します。


1. 資格外活動とは何か・発覚するきっかけ

外国人本人が、現在持っている在留資格で認められた範囲以外の活動を行って報酬を得ることを「資格外活動」と呼びます。

主なパターン:

  • 専業外活動:「技術・人文知識・国際業務」で採用した社員が、実際には工場のライン作業や飲食店の接客など、専門知識を必要としない業務に専ら従事しているケース
  • 制限超過:「留学」や「家族滞在」の外国人が、許可された週28時間以内という制限を超えて働いているケース

発覚のきっかけ:入管の定期的な調査や報告徴収、あるいは社会保険の加入状況の確認などから不法就労が発覚するケースがあります。採用時に確認を怠っていると、後になって大きな問題に発展します。


2. 発覚したらまず何をすべきか

疑いが生じた場合、経営者が取るべき初動はスピードと正確性です。

就労の即時停止:疑いがある時点で、直ちにその社員を業務から外してください。不法就労であることを知りながら数時間でも働かせれば、会社が故意に不法就労をさせたという証拠となります。

在留カード原本の精査:本人を呼び、在留カードの原本を確認します。表面の「就労制限の有無」欄を再確認し、「留学」等の場合は裏面の「資格外活動許可」の印と記載された条件(週28時間以内等)を確認してください。また、入管が提供する「在留カード番号有効性確認システム」でカードの有効性を照合することも有効です。


3. 会社の法的リスク:不法就労助長罪

経営者が最も自覚すべきは、入管法第73条の2に定められた不法就労助長罪のリスクです。

罰則:3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金、またはその併科です。

善意でも問われる理由:「知らなかった」という言い訳は通用しません。在留カードの確認を怠ったり、業務内容とビザの整合性を精査しなかったりした場合は、過失があるとして処罰の対象となります。経営者には、雇用する外国人が適法に就労できる状態にあるかを確認する注意義務があります。

この処罰を受けると企業の受入れ適格性が否定され、今後の外国人受入れに支障が生じる可能性があります。


4. 入管への対応

事実を確認し、不法就労が明白となった場合は、隠蔽せず以下の手順で対応します。

14日以内の届出(入管法第19条の17):就労が不可能となり雇用契約を解除した場合は、14日以内に出入国在留管理庁へ受入れの終了を届け出なければなりません。届出方法はオンライン(I-ENS)・郵送・窓口持参のいずれも可能です。

自主申告の重要性:会社側が自らミスを発見し、速やかに入管へ申告することは、処罰の軽減を求める上での重要な対応です。採用時の確認フローや管理体制を客観的な資料として整理した上で、当局へ誠実に説明することが必要です。


5. 本人の在留資格はどうなるか

不法就労に従事していた本人の法的地位は厳しいものになります。

在留資格の取消し:本来の活動を行わず、資格外の活動に専念していた場合、在留資格の取消しの対象となります。

退去強制手続き:資格外活動の程度が重い場合、日本から強制的に出国させられる手続きが開始されます。

将来への影響:資格外活動違反の履歴は素行が善良でないとみなされ、将来の永住申請や更新において消極的に評価されます。


6. 再発防止策

就労資格証明書の活用:採用予定の外国人が行う業務が、そのビザの範囲内かどうか不安な場合は、本人に「就労資格証明書」を申請させてください。これは入管が「この業務ならこのビザでOKです」と公的に証明する書類です。これを確認した上での採用であれば、会社側が不法就労助長罪に問われるリスクを大幅に軽減できます。

採用時の在留カード確認の徹底:在留カードの原本確認をルーチン化し、就労制限の有無・資格外活動許可の有無を必ず確認してください。

在留期限・許可条件の定期管理:在留期限の3か月前から更新準備を始めるスケジュールを社内で共有し、担当者を明確にしておくことが重要です。


7. 実務対応チェックリスト

  • 採用時に在留カードの原本を確認し、「就労制限の有無」欄を精査したか
  • 留学生の場合、裏面の「資格外活動許可」があるか・週28時間を守っているか確認したか
  • 複雑なケースの場合、「就労資格証明書」を取得させたか
  • 疑いが生じた時点で即座に就労停止・自宅待機を命じたか
  • 入管法第19条の17に基づき、14日以内に届出を行える体制があるか
  • 自主申告に備え、採用時からの管理記録を保存しているか

まとめ

外国人社員の資格外活動は、発覚した時点で「知らなかった」という弁解が通用しない経営上の大きなリスクです。「迷ったら就労資格証明書を取る」「在留カードは必ず原本確認」という基本的な準備が、会社を守る最善策です。

「この業務内容で本当にビザが合っているか不安」「自主申告のやり方を教えてほしい」そのようなお悩みをお持ちの経営者様は、ぜひConnect行政書士事務所へご相談ください。

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