外国人社員が不法就労だったと発覚したときの会社の対応【2026年版】

中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。

「まさかうちの社員が……」と不法就労の事実に後から気づくケースは決して他人事ではありません。不法就労の放置は経営者個人への刑事罰だけでなく将来にわたる外国人受入れの全面停止という致命的な事態を招きます。今回は発覚時の正しい対応手順を解説します。


1. 不法就労とは何か(3つの種類)

入管法において不法就労は以下の3つに分類されます。

① 不法滞在者や退去強制が決まっている者が働くケース

在留期限が切れた(オーバーステイ)状態で働いている・退去強制が既に決まっている者が働いている場合です。

② 就労資格なしに働くケース(資格外活動)

「短期滞在(観光)」で入国した者が許可なく働いている・留学生が資格外活動許可なしに週28時間を超えて働いている場合です。

③ 認められた範囲を超えて働くケース

外国料理のコックとして認められた者が工場で作業員として働いている・通訳として採用した社員が実態として工場のライン作業のみに従事している場合です。


2. 不法就労が発覚した場合の5つの即時対応手順

STEP 1:就労の即時停止

疑いがある時点で直ちにその社員を業務から外してください。不法就労であることを知りながら働かせ続けることは「故意」を確定させてしまいます。

STEP 2:在留カード原本とパスポートの再確認

在留カードの原本を目の前で確認し「在留カード等読取アプリケーション」を用いてICチップ内のデータと券面に不整合がないかを精査します。

STEP 3:専門家への緊急相談

入管や警察へ届け出る前にまずは専門家に相談してください。過去の届出履歴に基づき会社側の「落ち度のなさ」を法的に分析・整理する必要があります。

STEP 4:社内調査と証拠の整理

採用時にどのような確認を行ったか・雇用契約書の内容・賃金台帳の記録などを整理します。社会保険や税金の「納期内履行」がなされているかは企業の誠実性を示す重要な証拠となります。

STEP 5:入管への自主的な相談・申告

事実関係が整理でき次第、管轄の地方出入国在留管理局へ自ら進んで相談・申告を行います。公式リーフレットにも「不法就労者を発見した場合には地方出入国在留管理局へ通報したり出頭を促すなどしてください」と明記されています。


3. 会社が問われる法的責任(不法就労助長罪)

入管法第73条の2に定められた「不法就労助長罪」の罰則は3年以下の拘禁刑もしくは300万円以下の罰金またはその併科です。

「知らなかった」は通用しません。在留カードの確認を怠るなど過失がある場合も処罰の対象となります。

処罰を受けた場合、企業の受入れ適格性が否定され今後長期間にわたり新たな外国人の雇用が認められなくなります。


4. 自主申告した場合のメリット

自ら進んで申告しかつ採用時に在留カードを確認していた等の注意義務を果たしていたことが証明できれば不法就労助長罪の適用を回避あるいは刑が軽減される可能性があります。


5. 実務対応チェックリスト

□ 在留カードの原本を本人の前で直接確認したか □ 在留カード等読取アプリケーションでICチップの有効性を照合したか □ 従事させている業務が在留資格の範囲に適合しているか □ 留学生・家族滞在の場合、週28時間以内を厳守させているか □ 不法就労が発覚した場合速やかに就労を停止し専門家に相談したか □ 入管への自主申告を検討したか


まとめ

不法就労の発覚は危機ですが「正確な事実把握」と「迅速な専門家への相談」があれば立ち直る道は必ずあります。「うちの社員の働き方が資格範囲内か不安」「在留カードの確認方法を見直したい」という経営者様は、お気軽にご相談ください。

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