外国人雇用で会社が受ける実地調査とは?事前準備と対応【2026年版】

中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。

「うちのような中小企業にも入管の調査が来るのか?」

入管庁は外国人の受入れが適正に行われていることを確認する目的で特定技能所属機関・登録支援機関に対して実地調査を行っています。電話や郵送等で調査を行うこともあります。正しい知識に基づいた準備をしていれば調査は貴社の健全性を証明する機会となります。今回は実地調査の内容と事前対策を解説します。


1. 実地調査とは何か

報告徴収及び立入検査(特定技能)

特定技能制度においては入管法第19条の20に基づき当局が受け入れ機関に対し業務状況の報告を求めたり(報告徴収)、事業所に立ち入って帳簿書類を検査したり(立入検査)する権限が明文化されています。報告徴収・立入検査を拒否したり虚偽の回答をした場合は30万円以下の罰金の対象となります。

また実地調査の結果から法令違反等が認められた場合には「指導・助言」が行われるほか特定技能所属機関の欠格事由に該当することがあります。

2026年3月・派遣形態への波及

2026年3月9日より開始された新運用により技人国等で派遣形態をとっている場合、派遣元だけでなく派遣先に対しても直接の事情聴取や実地調査が行われるようになりました。


2. 実地調査で確認される主なポイント

① 業務内容の在留資格該当性

申請書に記載した活動内容と現場で実際に行っている業務が一致しているかが最大の焦点です。

技人国の場合:通訳やエンジニアとして採用した社員が工場のライン作業や店舗の清掃等に従事していないか確認されます。

特定技能の場合:分野で定められた「相当程度の知識又は経験」を要する業務に従事しているかが確認されます。

② 公的義務の「納期内」履行

2026年2月改訂の永住許可ガイドラインの考え方により当初の納付期限内に適正に履行しているかが確認されます。社会保険料・税金の納付記録の原本が確認されます。

③ 支援の履行実態(特定技能1号)

10項目の義務的支援が支援計画書通りに行われているかが確認されます。3か月に1回以上の面談記録や本人が理解できる言語での相談体制があるかが問われます。

④ 報酬の同等性

外国人社員の報酬が日本人社員と同等以上であるか賃金規定に基づき確認されます。


3. 実地調査への事前準備

突然の訪問に慌てないよう日頃から以下の書類を即座に提示できるよう整理しておいてください。

  • 賃金台帳・出勤簿・雇用契約書
  • 社会保険料・税金の納付記録(納期がわかるもの)
  • 支援実施記録(特定技能の場合)

また2026年4月15日からカテゴリー3・4の企業は代表者申告書の提出が義務付けられました。代表者が外国人の場合はその氏名と在留カード番号の記入が必要です。

現場責任者との業務内容の共通認識も重要です。調査官は外国人本人だけでなくその上司にも事情を聴取します。


4. 実地調査が来たときの対応

誠実な対応が鉄則:報告徴収・立入検査を拒否したり虚偽の報告をしたりすることは厳禁です。30万円以下の罰金の対象となるほか在留資格の取消しや企業の欠格事由に該当するリスクがあります。

ありのままを説明する:事実を正確に述べ必要であれば追加の疎明資料を後日提出する旨を伝えてください。

身分の確認:調査官が来た際は身分証明書の提示を求めてください。不安な場合はその場で行政書士に連絡しアドバイスを仰ぐことも有効な対応です。


5. 実務対応チェックリスト

□ 現場の業務内容が在留カード記載の資格範囲内であることを再点検したか □ 社会保険料や税金の納期遅れがないか直近1年分を精査したか □ 賃金台帳と雇用契約書の報酬額が申請データと完全に一致しているか □ 代表者申告書に記載した内容を遵守しているか □ 派遣先との間で実地調査に応じる体制を確認しているか □ 特定技能の定期面談記録(3か月に1回)が本人の署名入りで保管されているか


まとめ

実地調査は正しく運用している企業にとっては恐れるものではありません。むしろ健全な運用をしていることを証明する機会です。「今のうちの管理体制で実地調査に耐えられるか不安だ」という経営者様は、お気軽にご相談ください。

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