不法就労助長罪とは?外国人雇用で企業が注意すべきポイント
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
2026年(令和8年)を迎え、行政手続きのデジタル化とコンプライアンス(法令遵守)の重要性はますます高まっています。
2026年1月1日に施行された改正行政書士法では、行政書士がICT(情報通信技術)を活用し、利用者の利便性向上や業務改善に努めることが明確に位置付けられました。
一方、深刻な人手不足を背景に、外国人材を雇用する企業も増えています。
しかし、その際に経営者が特に注意しなければならないのが、**出入国管理及び難民認定法(入管法)に定められている「不法就労助長罪」**です。
「知らなかった」「悪気はなかった」では済まされない可能性のあるこの制度について、実務の視点から解説します。
1. 不法就労助長罪とは
不法就労助長罪とは、入管法第73条の2第1項に基づき、事業活動に関して外国人に不法就労をさせた場合に成立する犯罪です。
具体的には、次のようなケースが該当します。
・就労できない在留資格(例:留学など)の外国人を働かせた
・在留資格で認められている活動の範囲を超えて働かせた
・在留期限が切れている外国人(オーバーステイ)を雇用した
特に注意すべきなのは、雇用主が不法就労であることを知らなかった場合でも、確認不足があれば責任を問われる可能性があるという点です。
2. 企業が受ける罰則と社会的リスク
不法就労助長罪に該当した場合、以下の罰則が科される可能性があります。
・3年以下の拘禁刑
・300万円以下の罰金
・またはその併科
さらに、企業名が公表された場合には、
・取引先からの信用低下
・契約解除
・今後の外国人採用の制限
など、経営面で大きな影響を受ける可能性があります。
コンプライアンス違反は、単なる法律問題ではなく企業の信用問題にも直結します。
3. 実務でよくある不法就労のケース
実際の相談で多く見られる「落とし穴」を3つ紹介します。
① 在留カードの確認不足
「在留資格があるから大丈夫」と思い込み、在留カードを詳しく確認しないケースです。
在留カードには必ず
「就労制限の有無」
が記載されています。
ここに「就労不可」とある場合は、原則として働かせることはできません。
また、コピーだけで済ませてしまうと、偽造カードを見抜けないリスクもあります。
② 資格外活動の「週28時間」超過
留学生や家族滞在の外国人がアルバイトをする場合、
週28時間以内という厳格な制限があります。
この時間を超えて働かせた場合、本人だけでなく企業側も不法就労助長罪に該当する可能性があります。
③ 業務内容と在留資格のミスマッチ
例えば、
「技術・人文知識・国際業務」の資格で採用したにもかかわらず
実際の業務が単純労働中心になっている
といったケースです。
また、派遣形態の場合には、派遣先の業務内容も審査対象となるため注意が必要です。
4. 採用時に企業が確認すべきポイント
外国人雇用のリスクを防ぐため、採用時には次の点を確認することが重要です。
・在留カードの原本確認
(在留資格・在留期間・就労制限の有無)
・指定書の確認
(特定活動などの場合)
・就労資格証明書の活用
(業務内容が資格に適合するか不安な場合)
また、現在はオンラインでの確認制度なども整備されており、ICTを活用した確認体制の構築も有効です。
まとめ
不法就労助長罪は、一度発生すると企業にとって大きなダメージとなります。
しかし、採用時に適切な確認を行えば、多くのリスクは防ぐことができます。
外国人雇用は、正しい制度理解のもとで活用すれば、企業の成長を支える大きな力になります。
「この在留資格で働けるのか」
「この業務内容は問題ないのか」
少しでも不安がある場合には、専門家へ相談することがリスク回避につながります。

