外国人を雇用するとき企業が確認すべき書類5つ|行政書士が解説
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
近年、深刻な人手不足を背景に、外国籍の方の採用を検討する企業が増えています。
一方で、外国人雇用には日本人の採用とは異なる法的ルールがあり、適切な確認を行わないまま雇用してしまうと、企業側が法的責任を問われる可能性があります。
2026年(令和8年)には行政手続きのデジタル化がさらに進み、2026年1月1日に施行された改正行政書士法では、行政書士に対してICT(情報通信技術)を活用した業務の効率化と利便性向上の努力義務が明記されました。
オンライン申請などが普及した現在でも、外国人雇用において最も重要なのは 採用時の書類確認 です。
今回は行政書士の視点から、外国人採用時に企業が確認すべき 5つの書類 と実務上の注意点を解説します。
外国人雇用で書類確認が重要な理由
外国人雇用では、日本人の採用とは異なり 在留資格 によって日本で行うことができる活動が決められています。
例えば、専門職向けの在留資格である
「技術・人文知識・国際業務」 を持つ外国人の場合、専門知識を必要としない単純作業を主な業務として行うことは認められていません。
もし、在留資格のない外国人や、認められた範囲を超えて働かせてしまった場合、雇用主は 不法就労助長罪 に問われる可能性があります。
【罰則】
・3年以下の拘禁刑
・300万円以下の罰金
・またはその併科
また、「知らなかった」と主張した場合でも、在留カードの確認など通常行うべき確認を怠っていた場合には責任を問われる可能性があります。
そのため、外国人採用時には必ず必要書類を確認することが重要です。
企業が確認すべき書類5つ
外国人を雇用する際には、次の5つの書類を必ず確認しましょう。
① 在留カード(最も重要)
在留カードは、日本に中長期滞在する外国人に交付される身分証明書であり、日本での活動内容を示す重要な書類です。
特に次の項目を確認します。
・在留資格
・在留期限(満了日)
・就労制限の有無
在留期限が1日でも過ぎると 不法残留 となるため注意が必要です。
② パスポート
パスポートは本人確認の基本書類です。
また、在留資格によってはパスポートに 指定書 が添付されている場合があるため、その確認にも必要になります。
③ 指定書(特定活動などの場合)
在留資格が 特定活動 などの場合、在留カードには
「指定書により指定された就労活動のみ可」
と記載されています。
この場合、パスポートに添付されている 指定書 を確認し、就労先や業務内容が自社の雇用内容と一致しているかを確認する必要があります。
④ 資格外活動許可(留学生アルバイトなど)
在留資格が 留学 や 家族滞在 の場合、本来は就労できません。
アルバイトを行うためには 資格外活動許可 が必要です。
在留カードの裏面にある資格外活動許可欄を確認してください。
留学生アルバイトには次の制限があります。
・原則 週28時間以内
・風俗営業などでの就労は禁止
⑤ 就労資格証明書
転職してきた外国人を採用する場合、その在留資格で自社の業務が可能か判断が難しいことがあります。
そのような場合は 就労資格証明書 を取得することで、入管から公的に就労可能であることを証明してもらうことができます。
企業で実際に多いミス
外国人雇用では、次のようなミスが多く見られます。
在留カードのコピーだけ確認する
偽造カードの可能性もあるため、必ず原本を確認する必要があります。
在留期限の管理をしていない
在留期限の更新は本人任せにせず、企業側でも管理することが重要です。
在留資格と業務内容が一致していない
業務内容の変更によって、在留資格の範囲を超えてしまうケースがあります。
偽造カード対策
在留カード番号失効情報照会
出入国在留管理庁では
在留カード等番号失効情報照会
というシステムを提供しています。
在留カード番号と有効期限を入力することで、そのカードが有効かどうか確認できます。
照会結果を保存しておくことで、企業として適切な確認を行った証拠にもなります。
まとめ
外国人雇用では、採用時の書類確認が企業のリスク管理に直結します。
特に重要なのは次の3点です。
・在留カードの確認
・在留期限の管理
・在留資格と業務内容の整合性確認
適切な確認体制を整えることで、不法就労などのトラブルを防ぐことができます。
外国人雇用のご相談
当事務所では、外国人雇用に関する次のサポートを行っています。
・在留資格申請
・就労資格証明書申請
・外国人雇用の法務チェック
・オンライン申請対応
外国人雇用に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。

