外国人社員が交通事故を起こしたら?企業の対応と在留資格への影響【2026年版】
中小企業の経営者の皆さま、こんにちは。
「社員がプライベートで交通事故を起こした。うちの会社には関係ないだろう。」
実はそうとも言い切れません。交通事故の内容によっては社員の在留資格の更新や永住申請に影響する可能性があり、会社としての適切な対応が求められます。今回は交通事故が在留資格に与える影響と実務対応を解説します。
1. 交通事故が在留資格に与える影響
軽微な違反(反則金・青切符)の場合
駐車違反や一時停止無視など行政罰である反則金の納付で完結するものは、原則として犯罪を理由とする処分には含まれません。ただし短期間に繰り返している場合、更新審査で素行要件のマイナス評価につながる可能性があります。
道路交通法違反・罰金刑の場合
酒気帯び運転や無免許運転などで罰金刑を受けた場合でも、道路交通法違反は在留資格取消の対象となる刑罰法令には含まれていません。また罰金刑は拘禁刑ではないため、在留資格取消の直接の対象にはなりません。ただし素行要件として更新審査で消極的に評価される可能性はあります。
故意による重大犯罪・1年を超える実刑の場合
危険運転致死傷など故意犯による重大犯罪で拘禁刑に処せられた場合は退去強制事由に該当する可能性があります。また罪名にかかわらず1年を超える実刑に処せられた場合は退去強制事由に該当します。
永住申請への影響
2026年2月改訂の永住許可ガイドラインでは素行善良要件が厳格に審査されます。重大な違反や繰り返される違反がある場合、永住申請が不許可になるリスクがあります。
2. 在留資格申請書への申告義務
在留期間更新許可申請等の際、申請書には「犯罪を理由とする処分を受けたことの有無(交通違反等による処分を含む)」という欄があります。虚偽の申告は「虚偽の手段による申請」とみなされ在留資格の取消事由に該当する恐れがあります。事実をそのまま正確に申告するよう本人に指導することが重要です。
3. 会社として取るべき実務対応
正確な事実把握
本人から聞き取るだけでなく、最終的な処分内容(罪名・罰金額等)を確認し記録に残してください。
特定技能外国人の場合の面談記録
特定技能外国人の受入れ機関には定期的な面談(3ヶ月に1回以上)の義務があります。事故発生時は臨時面談を実施し記録を残してください。
離職に至る場合の届出
事故によって活動継続が困難になり離職に至る場合は14日以内に入管への随時届出とハローワークへの外国人雇用状況届出が必要です。
再発防止の取り組み
日本の交通ルールの多言語資料を配布するなど企業としての支援実績を積み上げることが万が一の審査での評価につながります。
4. 実務対応チェックリスト
□ 事故の形態と最終的な処分内容(罪名・罰金額等)を確認・記録したか □ 次回のビザ更新時に正確に申告するよう本人に指導したか □ 特定技能の場合、臨時面談を実施し記録を残したか □ 離職に至る場合の入管・ハローワークへの届出を確認したか □ 日本の交通ルールの多言語資料を配布するなど再発防止の取り組みを行ったか
まとめ
交通事故の在留資格への影響は事案の重さによって大きく異なります。「この処分内容で次の更新は大丈夫か」「会社としてどこまで対応すべきか」と不安な経営者様は、お気軽にご相談ください。

